山本めぐみ(古着屋「Swell Vintage」店主 )

 

 

Talk About Blundstone

古着屋「Swell Vintage」店主 山本めぐみさん

原宿の閑静な住宅街にひっそりと佇む古着屋「Swell Vintage」。

店内にはミリタリーやワークといった武骨なアイテムの中に大人の女性らしさがキラリと光るヴィンテージクロージングが並びます。

個性あふれる古着たちをバイイングしているのは店主の山本めぐみさん。

彼女の人柄と審美眼に惚れ込み、著名人や人気スタイリストなどのファッショニスタから古着初心者まで、様々な人々が足繁く通う人気店です。

そんな山本さんが最近、コーディネートに欠かせないというブランドストーンのブーツ。新品の靴を買うことがめったにないという彼女が購入に至ったストーリーとその魅力について、お話を伺いました。

__ブランドストーンとの出会いを教えてください。

5、6年前だったかな?多分主人が海外で購入したものを見たのが最初です。佇まいとレザーの質感が良いブーツだなぁと。それで気にはなっていたんですが、実物をお店で探して購入するまでには至らなかったんです。

それからだいぶ経って、2、3年位前に友達のお店へ服を買いに出かけた際、たまたまブランドストーンさんを扱っている靴屋さんの前を通りかかったんです。そこに素材のツヤ感と色合いが良い感じにエイジングされている一足が飾ってあるのを見つけたんです。

それを購入しようとしたら「これはスタッフが履き込んだ私物で売り物ではないんです」と言われ、同じ品番の新品を出してもらったら全く違う色のものが出てきて。どうしてもそのブーツに似た風合いのものが欲しいと話すと、新品をサッとエイジングする裏技を使えばそれに近いものになるとアドバイスをいただいて。

ブーツと一緒にブラシとクリームも買って、その場でレクチャーを受けながらゴシゴシ磨いて、新品なのに良い感じに履き古された雰囲気を醸す一足に仕上げたんです。

__愛用する中で感じた魅力について教えてください。

最初は雨の日に履く靴が本当になくて困っていたので、雨の日メインで履いてたんです。でも実際に履き続けるとすごいフィット感が良かったし、意外と私の服に合うぞっていうことに気づいて、今では冬場はほぼ毎日のように愛用しています。

私の中でサイドゴアブーツってボテボテしていて履きにくくて、着脱しにくくてってマイナスのイメージしかなかったんです。でもブランドストーンは全てその逆をいっていて。あと何ていうんでしょう、結構フォルムがシュッとしていてゴツさをそこまで感じないというか。なので、すんなりと自分の服に合わせられるなと。コテコテにワークやミリタリーを合わせたり、レースのドレスに合わせる甘辛コーデまで、何にでも合わせられるんじゃないかと思ってます。本当はできれば夏も履きたいですね。

 

▲普段ご着用されている様子。

 

__古着の面白さ、購入するときのマイルールを教えてください。

古着が面白いなと思うのは、生地や縫製、デザインやディテールが年代や時代背景によって違っているところですね。年代ごとに面白さがあって。何かそれを知らないで買っている方が多いと思います。だから私は自分のお店では「この裏の縫い方見て」とか「このジッパー見て」とか言いながら接客しています。そういう目線なので、ブランドストーンのタグが前後に2つ付いているディテールやステッチワークはとても気になりますね。

購入するときのマイルールは、物を引き寄せる力というか“直感的な出会い”を大事にしています。最初にブランドストーンを買った後、もうちょっと薄いブラウンのものが欲しいと思っていたタイミングで、たまたま入った古着屋でイメージにぴったりな、しかもマイサイズを見つけて即購入しました。そんな一期一会を楽しむのも古着ならではの魅力だと思います。


左:最初に購入したCLASSICS BS585267 Rustic Brown

右:古着屋で出会った一足


__お仕事について教えてください。

私は元々OLというか普通の会社勤めだったので、そこから古着屋をやろうと思ってやったわけじゃなくって、気づいたら古着屋になっていたっていう人なんですよ。

最初はオリジナルのレザーバッグを作って、それをオンラインストアで販売したのがスタートです。

バッグに古着のボーイスカウトのワッペンを付けていて、それを仕入れるために古着の倉庫に入ったり、アメリカでそういうものを扱うお店に出入りするようになり、だんだんと古着の買い付けにウェイトがいくようになりました。当初は店舗を持たずに当時はまだあまりなかった古着のポップアップストアなどをメインでやっていたのですが、そこにいらっしゃるお客さまの「めぐさんにもっと会いたい、店に行って買いたい」という声もあり、2020年に原宿に実店舗をオープンして現在に至ります。

 

__これから発信していきたいことを教えてください。

実店舗を出したことで改めて接客は大事だなっていうのを再確認しました。通販で買われてる方が体験できないことをしたいと思っています。店舗は私の部屋に来てもらうみたいな感じで来ていただけると嬉しいですね。

古着販売と並行してオリジナルのアパレルも作っていて、古着のシャツを解体してパンツを作ったりもしています。それが楽しくなってきたので、そっちも広げていきたいです。リメイクって今すごい主流になってきていて、時代にも合っていると思うので。

 

古着屋「Swell Vintage」店主

山本めぐみさん

〈Profile〉

アパレルとは全く無縁のOLから転身し、キャリアをスタート。当初は独学でレザーバッグの製作を始める。2013年よりオンラインストア「Swell Vintage」をオープン。バッグの素材として使っていた古着のワッペンの買い付けをきっかけに古着の仕入れもスタート。2020年には原宿に実店舗もオープン。古着販売にとどまらず、大手ブランドとのコラボレーションやポップアップ、オリジナル商品のデザイン、販売など、幅広く活動中。

Instagram:@meg_swellvtg

 

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